▼出版のお知らせ

『取材現場は地方に宿る/
新聞記者  封印40年の記憶』(原裕司)
というタイトルの本を東京図書出版から出しました。
▼40年間の新聞記者で体験したことをドキュメントとしてまとめた集大成です。私が取材現場で経験した出来事を再度検証して、「取材現場とは何か」をテーマに、当時の新聞記事や雑誌、書籍に書き切れなかったデータを加え、その取材の舞台裏や再取材をした結果を加筆して、現場とはジャーナリズムとは何かを考えるリポートにしました。当時おかしいと思っていた疑問も原稿に入れました。 
▼《日々の取材で心がけたのは、「現場に迫る」ということだった。現場に迫ることで事実を積み重ね、真実に迫りたいと常に思っていた。 

 そこで感じ始めたのは、現場の多くは地方にあるのであって、中央にはないということだ。ここで言う中央とは、東京という意味ではなく、巨大組織である中央官僚組織を言う。その中央官僚組織や国会なども取材してきたが、中央に現場はない、地方にこそ現場と真実があると強く思うようになってきた。そして地方にいると中央がよく見えてくるようになった。だからこそ地方にこだわった。転勤族だったことも幸いした。東京も地方の一つに過ぎない。 

 新聞記者の取材にとって、現場とは何か。そう自問自答してきた四十年間だった。現場にこだわった》(「まえがき」から)

▼新聞記者の取材現場とはどういうものなのか、その一端を理解してくれればうれしいと思います。
▼四六判338ページ、税込み1980円です。
アマゾンで販売が始まりました。ぜひ手に取ってください。アマゾンや週刊読書人にも書評が掲載されました。
▼この本が出た直後に後輩記者の訃報を知りました。まだ現役の60歳。志半ばでした。昨年は仙台支局時代の2人の後輩記者が相次いで亡くなりました。年下の人間が先に死んで行くのは悲しいものです。亡くなった後輩記者にこの本を捧げます。

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目次 

まえがき

 

A ★連続幼女誘拐殺人事件 脱輪痕報道と捜査 

 

B ★朝霞事件裁判判決取材 縮小認定とは 

 

C ★死刑執行再開と死刑囚のインタビュー 

 

D ★阪神大震災取材 東京と大阪の格差 

 

E ★オウム現場と立ち番記者 

 

F ★死刑囚沢地とのやりとり 

 

G ★なぜ安田弁護士は逮捕されたか 民主主義とは 

 

H ★北炭夕張新鉱事故20年取材と日高夫婦の死刑執行 

 

I ★永山則夫の処刑とオホーツク散骨 

 

J ★国鉄の分割・民営化と国労、音威子府ルポ 

 

K ★奥尻島津波災害10年取材 奥尻へ 

 

L ★非接触事故裁判を検証する 

 

M ★伊香保温泉とヤクザ 現場は地方にある 

 

N ★渋川市の老人ホーム火災 名簿の入手と業過の方向性 

 

O ★ほくほく線の存在と新幹線 

 

P ★草加市議会と木下市長 地方議会の取材とは 

 

Q ★総選挙の当打ちと復活当選 当打ちの難しさ 

 

R ★北朝鮮拉致事件、曽我ひとみさんとジェンキンスさん死去 

 

S ★小樽運河埋め立て 街づくり運動とは 

 

T ★参院選で山が動いた 山本コウタローと読売新聞の文句 

 

あとがき



寄せられた感想から 

皆さん、ありがとうございます。


▽大変興味深い内容で、一気に読み進めてしまいました。
▽様々な事件の現場に関わった方ならではのお話はとても説得力がありました。
▽次回作も楽しみにしています。
 (青森県・Mさん)

▽著者を拝読しました。とても興味深かったです。病気以来あまり本を読めずにいたのですが、久しぶりに、しっかり読書しました。素晴らしいお仕事だなと思いました。
 (宮城県・Aさん)

▽世の中の出来事をまっすぐに向かっての姿勢は、大学生の頃と全く変わらないなと思いました。原さんらしい、というか。 
▽驚いたのは本当に多岐にわたる出来事を取材しているんだ、ということです。世の中、おかしなことにここまで深く関わるのは大変だなと思いました。
▽私は朝日新聞を取っているので、地方版が縮小というのはよくわかります。でも、デジタルのツールがいろいろに出回る中、私は新聞にかなりの信頼を寄せています。
 (甲府市・Fさん)

▽とても面白くて、読んでいて、何やら気分が高ぶりました。とりとめのない雑駁な感想になりますけど、勘弁ください。面白くて、ものすごい作品です。平たく言って、ドラマに満ちていました。
▽さすが新聞記者の切り口で 40年のキャリア、東西南北、いくつもの現場支局を体験しての積み上げから醸成された眼力というか、記者のための教科書的な作品であると思いました。
▽「記者のため」だけではなくて、「政治家のための、ヤクザのための、労働組合のための、記者の家族のための、我々民衆のための、ひとつの事件に関わる関わり方の教科書」となり得るでしょう。多くの人に読ませたい本です。
▽それぞれすべて厳選された項目と思われます。そしてそれぞれが切れ味確かな記者の文体で、独特の勢いがあります。
 永山則夫の項目には鬼気迫るものがありました。永山の作品をただ1冊、『木の橋』を持っています。少しこだわった時期がありました。
 (東京・Mさん)

▽「取材現場は地方に宿る」、頂戴しました。早速読ませて頂きます。貴兄の取材にかける熱意は、新潟時代から感心していました。国鉄分割民営化問題は、民営化案を巡って各社の政、経、社が入り乱れて取材合戦をしていた頃の運輸省担当だったこともあり、まず目が行きました。幸い特ダネだったこともあり、ジャーナルから「なんでもいいから書いてくれ」と依頼があり、やや越境感もありましたが「戦後日本の労働運動の終焉」とのタイトルで、執筆したことを思い出しました。清算事業団を介した「首切り」の話は取材もしましたが、運輸省担当はわずか11カ月だったこともあり、前線の現場まで足を運ぶこともなかったので、興味深く目を通しました。(東京・Kさん)

▽「連続幼女誘拐殺人事件やオウム事件など20本の取材エピソードを通じて、記者生活40年を振り返るとともに、『取材現場は地方にこそある』」訴える一冊だ。『官房長官の記者会見を主戦場だと勘違いする人もいるが、あれは現場ではない』との主張に深く頷く。

 一方で、新聞社が地方支局を閉鎖して記者数を減らし、地方取材網がズタズタにされている現状を、原裕司さんは『地方から記者を撤退させることは、権力監視という役割の放棄につながる』と危惧する。『新聞記者は現場を取材し確認できた事実だけを書いている。それが新聞の強さであり信頼性でもある。地道な作業があるからこそ権力者を監視できるのだ』『新聞の斜陽化で笑っているのは権力を行使する人間だろう』との言葉がずっしり重い」(神奈川・Iさん)



▽「この本おもしろかったです。最初の章『連続幼女誘拐殺人事件と現場取材』をはじめ、赴任地で1面トップを連日飾るような大事件が起きたとき、地元の記者が現場でどう特ダネを追いかけたかという貴重な記録になっています。徹底的に現場を取材してきたという自負に裏付けられており、原さんのお仕事ぶり(反骨ぶりも含めて)を知っているからこそ面白く読めた」(東京・Hさん) 


▽「ご著書、力作ですね。貴重な記録になりますね。しかし、現在の朝日新聞社がご著書の主張とは真逆の方向に進んでいるのが残念でなりません」(大坂・Iさん)



▽「全部面白い。『参院選で山が動いた 山本コウタローと読売新聞の文句』は読売新聞との闘いが浮き彫りになった。『草加市議会と木下市長 地方議会の取材とは』も面白かった」(埼玉・Iさん)


▽「『連続幼女誘拐殺人事件』はドラマのようで、読みやすかったです」「今年は運河竣工百年で秋に3ヶ月間のイベントを、若い人中心に企画しています。『小樽運河と横道知事』は町並みゼミで集まってくる若い人達に、この章をコピーして渡そうと思います。新聞記者目線の分かりやすい内容だと思います。あの時の並行線の議論は、今も小樽に残っていると思います。残そうとした本質が理解されていない」(北海道・Oさん)


▽「今の新聞記者の方の奮闘ぶりを毎日のように感じております。今回の原さんの本は、まさに40年間、新聞記者一筋に生きて精一杯の努力を積み重ねて、出来上がった成果品ですね。素晴らしいです」(北海道・Nさん)



▽「『死刑執行再開と死刑囚のインタビュー』 の中で、有名な死刑囚なら、実名を出してもよかったのではないか。『伊香保温泉とヤクザ』も興味を持って読んだ」(東京・Mさん)


▽「佐渡のジェイキンズさんの記事が目に留まりました。わたしも土産物屋でみかけたことがあり、懐かしく思い出しました。未だに拉致問題が解決していないことに心が痛みます。あの国家と話し合いで解決することは容易いことではないことを改めて思い知らされました」(熊本・Yさん)


▼アマゾンのレビューもありました。

かつて「新聞記者」という職業があったことを示す貴重な資料

2023年4月6日に日本でレビュー済み 

Amazonで購入

新聞メディアの衰退著しく、かつては当たり前のように見られた通勤電車内で新聞を読む人は絶無になった。新聞の部数は著しく減少し、全国に張り巡らされた新聞社の取材網は急速に縮小している。県庁所在地以下の都市にはもう記者が配置されていないほどだ。そうした衰勢をはねのけるのは難しいが、かつてこの国には新聞というメディアがあり、そこには「新聞記者」という職業があったということを示す格好のサンプルが本書である。そしてひとたび新聞社で禄を食んだものはせめて本書のような「我、かく戦えり」を一冊上梓すべきである。


5つ星のうち5.0 空気を読まないことの大切さ

2023年5月13日に日本でレビュー済み 

Amazonで購入

取材現場で何が起きているのか。「マスコミ」から権力チェックの姿勢が消えつつあるように見える昨今、記者一人一人の取材活動に原点があると、改めて気づかされる一冊だ。

5つ星のうち5.0 ニュースは本や頭の中ではなく、現場にしかない

2023年9月3日に日本でレビュー済み


どんなニュースも頭や本ではなく、現場があって初めて生まれる。記者が現場に行くには手間も暇もかかる。こたつでは書けない。「地方に宿る」という意味は、東京の国会や官庁や企業ではなく、ナマの地域に、ある時はドカンと、ある時はひっそりと埋まっている、ということだ。事件や災害、行政など幅広い取材経験をし、取材相手と格闘した記者にしか書けない内容であり、40年以上の集大成だ。新聞社の経営が苦しくなって現場の記者が減っているが、そのツケはいずれ国民に回ってくるだろう。

6月9日付週刊読書人に書評が載りました。元中央公論編集者でテレビキャスターなどを歴任したコラムニスト水口義朗さんが書いてくださりました。的確に内容を紹介しており、感謝します。



▽市民運動にご理解を

▽私は「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」の運動に参加しています。
日本ではまだ存置されている死刑制度を廃止させたいという願いから、続けています。運動の趣旨をご理解ください。

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
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